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『ヘラクレス』『ヘラクレスの逆襲』 [日付のない映画日誌1950s]

『ヘラクレス』1957年『ヘラクレスの逆襲』1959年
 たぶん第二作の『逆襲』のほうだったと思う。
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 家に下宿していた東工大の学生が下宿を出るさいのお礼にと連れて行ってくれた。
 確実なのは、この一点のみで、映画の内容も憶えていないし、映画館も有楽町だったような、何ともあやふやずくめの頼りない記憶だ。
 番組はこちらの希望だったろう。
 映画雑誌ばかり見ていたから、スティーヴ・リーヴスの筋肉美は憧れだった。
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 帰りにカレーをご馳走になったけれど、猫舌は子供のころからで、熱いのと辛いのの相乗に四苦八苦した。


 六畳と三畳を貸していた時期があり、八畳に一家三人が暮らしていた。
 母親は着物仕立ての内職、父親は部屋の隅に半死体のようにただ寝ていた。
 親戚に預けられていた姉がもどってくるさいに、まず三畳の下宿人に出てもらい、次に、別の親戚のところから兄がもどってくるさいに六畳のほうも明けてもらうことになった。
 一家五人の暮らしがいったん再開されたけれど、これも一年足らずで、東京の家は引き払うことになった。
 そんなふうに追憶を引きずり出していくと、否応なく気づかされる。
 ――ああ、この映画のことは、むしろ「抹消したい想い出」のほうに属していたのだな、と。
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