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マービン・ルロイ『仮面の米国』 [映画VIDEO日誌2019後半]

2019.08.10 マービン・ルロイ『仮面の米国』1932
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 息の長い監督暦を誇るM・ルロイは戦後、ぺーソス溢れるメロドラマ的作品を専ら連打したが、トーキー初期においてはワーナーで、こうした犯罪物の佳作を多く放っている。実話に基づいて作られた本作(原作者のR・E・バーンズは二度目の脱獄後この手記を出版、そのまま姿を消した)はジョージアでその頃まで行なわれていたチェーン・ギャング(鉄牢)を告発する内容で、同州は本作の評判に屈し、その人道を無視した刑罰を取りやめた。主人公の名は映画ではジェームズ・アレンと改められ、演ずるは名優P・ムニ。彼は第一次大戦に出征。除隊後、事業の夢を持って帰郷するが、世間は帰還兵に冷たい。たまらず飛び出し、その日暮らしの生活を送るが運尽きて失業者の仲間入り。アトランタのカフェで小競り合いからホールド・アップと間違えられ、10年の刑を受け監獄に繋がれてしまう。そこで課せられる重労働は一日15時間半にも及ぶ激務で、その理不尽に憤った彼は鎖を断ち切り決死の脱獄に成功する。それからシカゴに逃げ、出版社に職を得、精進して編集長とまでなるが、情をかけられた下宿先の女将に、彼に他の恋人ができたことから密告される。彼は進んで裁きを受け、支援の動きも高まったが、州高裁は一度約束した釈放を許さず、不当に彼を拘束し続けた。そのため彼は再び脱獄に挑むのだが……。野外労働中に逃げ出し、死に物狂いで薮を駆け、葦を咥えて沼に身を潜める場面など、息詰まる迫力がある。「エリオット・バーンズの帰還」は本作のリメイクにあたる。<allcinema>onlineよりコピー




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