30年遅れの映画日誌。映画を観るためには映画館に出かけるしかなかった時代の話。

 1984年9月19日水曜 曇り
 小栗康平『伽倻子のために』


 銀座 試写
 李恢成原作による小栗の第二作。
 アジア映画ニューウェイヴの流れにあった。

 試写室でとなりのおっさんが「ここは映画を観ながら煙草が吸えるからいいですな」と話しかけてきた。
 顔を見たら安岡章太郎だった。安岡の小説にありそうな情景だ。