ジョン・シングルトン『ポエティック・ジャスティス』93年製作


 1994年3月29日火曜

 ジャネット・ジャクソン 2PAC・シャクール
 ドライヴインでホールドアップにあって射殺される恋人の後釜役が2PAC。

 数年後に来た2PACとビギー・スモールの射殺事件を想えば、なんとも意味深の役柄ではないか。

 ラスヴェガスで2PACは、デスロウ・レコードのプロデューサーだったシュグ・ナイトとともに銃撃され、死亡。
 一部のメディアは、ウエストコーストとイーストコーストの「対立」を大げさに書きたてる。
 銃撃犯の黒幕はビギー・スモールだという説は有力だった。その半年後に、ビギー・スモールも銃撃を受けて死亡した。
 報復説の拡がりをとどめるものはなかった。
 「真相暴露本」の犯罪ノンフィクションも何冊か出た。
 世界を獲得したギャングスタ・ラッパーたちをめぐる根強い伝説がある。
 成功と同時に起こってくる愚かな抗争劇。
 それは、映画で描かれるドラッグ・ディーラー・キングたちの興亡そのままなのだった。
 「もう沢山だ」という気分が蔓延したのも当然だ。