ジョン・シングルトン『ハイヤー・ラーニング』95年製作


 1995年9月4日月曜 恵比寿ガーデンシネマ

 いわゆる学園もののドラマ枠に、ネオナチの台頭と新たな人種差別の根を浮き上がらせる。

 主演格は、黒人のオマー・エップスではなく、白人のジェニファー・コネリーとマイケル・ラパポート。

 黒人のみの集団劇で鮮烈な主張を前面に出したブラックシネマが、黒白混合のドラマに方向転換をみせていった。
 成熟とみなすか、焦点がぼやけたとみなすか。
 評価が分かれ始めた。

 シングルトンは何をやってもスパイク・リーほどには狡猾ではないから。

 教師役を演じたラリー(ローレンス)・フィッシュバーンが圧巻。
 彼の存在によって何とか統一感は保つことができたようだ。