ピーター・ボグダノヴィッチ『ラスト・ショー』1971
 
 千本丸太町を下がったところに古びた映画小屋があって。
 小屋の名前は、何といったのか。
 千本通りは、こちらの勝手な思いこみもあって、京都らしからぬ、国境沿いのひなびた国道みたいなイメージが強いのだけれど、その途上に、忽然と薄汚いそのポルノ映画館が現われてくるのだった。
 いつか、この映画のラスト・シアターの想い出と、溶け合ってしまっている。
 ボグダノヴィッチ劇場は、これ一本に尽きた。