『ニワトリはハダシだ』を観たぞ 2004年09月07日

  森崎東の新作『ニワトリはハダシだ』を試写室で観てきた。
 『喜劇 特出しヒモ天国』から三十年、『略称・党宣言』から数えても早や二十年か。
 相変わらずの若さに感服した。





 そういえば、『党宣言』――正式タイトルは『生きているうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』以降の作品をほとんど外していることもあって、『喜劇 特出しヒモ天国』のむかしに、一気に巻きもどされてしまった想いだ。

 貪欲すぎるほどに社会的テーマをとりこんで、職人芸の軽喜劇の枠におさめてみせる。
 若干の未消化や説明不足が生じても、細かいことには無頓着だ。
 知的障害者と家族、養護学校の現状、在日朝鮮人の戦後。
 と、それだけの単一でも一個の作品に余るテーマを放りこむのみならず、おまけに「最近流行」の警察の構造腐敗――裏金つくりや盗難車密輸の黙認まで――を話の飾りに配した。

 老いてますます盛ん、というか。
 老いても反骨のアオ臭さはますますトンがるばかり。森崎トンがり党、健在なりだ。