30年遅れの映画日誌。映画を観るためには映画館に出かけるしかなかった時代の話。

 1982年11月17日水曜 曇り
 小栗康平『泥の河』
 新宿


 子供のころの夏休み、小学校の校庭に幕を張って「納涼教育映画の夕べ」がひらかれた。演し物は反戦映画だったような気がする。有り難がって観ないといけない代物だった。戦後民主主義の申し子としては平均的に通過した体験だろう。
 この映画を観ての感想とともに、そんな光景が想い出された。