マリオ・ヴァン・ピーブルズ
 主演作を並べると、これはもう、B級アクションスターそのもの。
 しかし、『ハートブレイクリッジ』(1986)で、イーストウッドを喰ってしまった鮮烈さを忘れるわけにはいかない。
 それに先立って、『エクスタミネーター2』 (1984)の、気色の悪い悪役があった。

 ブラックシネマの時代に監督に進出。
 『ニュージャックシティ』『黒豹のバラード』『パンサー』と、記念碑的な監督&主演作を撮った。

『シュリンジ』 (1993)

 狼男ホラー・アクション。
 B級ぶりが似合ってくるのは、すでにこのあたりからか。

 監督・主演作として
 『ギャング・イン・ブルー』 (1996)                   『ワイルドスティンガー』 (1998) シナリオも担当。

 

 あとは主演のみだが、キヤラクター的には同一。
 一定していて、華がない。

『サイバー・ソルジャー』 (1996)         『クレイジー・シックス』 (1998)
      

『クロッシング』 (1999)                 『カリートの道 暗黒街の抗争』 (2005)
      

 その他の作品も含めて「名作」のたぐいは一つもないけれど。
 監督をやれば、不器用さが目立つし、演技もだんだんと愚直になっていく。
 メッセージ性の強さが「作品性」を弱めてしまう、という典型。

 久しぶりの監督・主演作が『バッドアス!』 (2003)
 伝説のブラックシネマ『スウィート・スウィートバック』 (1971)制作のインサイド・ストーリーで、おやじのメルヴィン役を演じた。

 これがゴールだとすれば、何とも……。