『卒業』『イージーライダー』『俺たちに明日はない』
 60年代後期、アメリカン・ニューシネマの三題噺。
 みたいな組み合わせだ。
 
 とにかく、映画を観つつ、不穏な感情に囚われる。
 それが何なのかは、ずっと後になってからから、答えを知らされる。
 
 このシンクロニシティから逃れる術はどこにもなかった。
 これが「成人」になるプロセスだと、浅はかにも想っていたようだ。
 
 60年代は、自分のなかだけでも、前期と後期とがはっきり分かれているような気がする。
 それを区切るにふさわしい作品群が、アメリカン・ニューシネマなのかもしれない。