『エロチカ』復刊第一号 日活ロマンポルノ特集
駿河台書房 1973.10

 中川梨絵が、小川徹、神代辰巳を混じえた座談会に出ている記事など。
 小川は「女の身体って、あんなにきれいじゃない」といい、神代が同意している。
  ロマンポルノ以前は、暗い照明のもと、女体を「見えるとおりに」映していた、ということだ。
 暗く貧しい性的失業者の情念をそのまま反映するようにも、粗い肌の女たちのハダカが投げ出されていたのだ。
 中川は、エロスを感じる監督と仕事をしたいと語り、ジャンヌ・モローへの憧れをもらす。
 みんな、もう故人だな。
 特集の他には、沼正三『家畜人ヤプー』第二部スタートなど。

『花弁のしずく』(田中登)の中川梨絵
『日活ロマンポルノ大全集①』辰巳出版 1972
 

 また小川徹の『映画芸術』も復刊して、ずいぶん熱心に読んだ。
 10年後に、その書き手の一人になるとは想像しなかったが。