オットー・プレミンジャー『黄金の腕』
 
 原作は ネルソン・オルグレン。
 エルマー・バーンスタインの音楽。
 ソウル・バスのタイトル・デザイン。
 麻薬中毒の禁断症状を演ずるフランク・シナトラ。
 
 50円均一の京劇名画座で観た。
 とはいえ、作品よりも忘れられないのは、子供狙いの痴漢被害にあったこと。
 局所をいじくられ、座席から逃げだした。
 人生、最初にして最後の体験。
 思い出は甘美だというのは綺麗ごとにすぎない、という真理に向き合わされた、早い段階での覚醒であった。