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もしも『赤い収穫』を映画化するなら2 [afterAtBL]

名を知られるのみでフィルムが焼失してしまうなどの理由から作品が現存しない映画。現存しないという事実によって神格化されるその作品を、人は恋焦がれるように「観たい」と求めるだろう。求めても虚しければ、やがて人はそれを想像力において復元しようと望むかもしれない。わたしにとって『赤い収穫』は、この手の神話的
なフィルムである。
 観たい。狂おしいほど観たい。

しかしわたしたちに与えられたのは『赤い収穫』の黒沢的翻案『用心棒』をリメイクしたと称するウォルター・ヒルのアホ映画『ラストマン・スタンディング』みたいなものばかり。
 むむ、かくなる上はやはり、自分でつくるしかないか。

まず始めになすべきは、監督に、地獄の辺土からサム・ペキンパーを連れ出してくることだ。この際だから、死人を蘇らせる魔法やらタイムマシンやら勝手気ままに駆使して、スタア集めをやってみよう。

コンチネンタル・オプには四十年前のロッド・スタイガー。『暗黒の大統領カポネ』で「おれの名はカポネじゃない、カポーンだ」と凄んでみせた頃の――。(スタイガーは2002年に故人となった。『ハリウッド・ゲーム』が遺作ではないけれど、最後のすがたとなる。バート・レイノルズ、トム・ベレンジャーとコンビを組んで、過去の
栄光を忘れられない老スターという泣かせる役を演じた。)

――と、ここまでが、架空キャスティングの書き出し。

 なんて書いてしまったのだけどね。
 いや、やっぱり、オプは、ハーヴェイ・カイテルか、ダニー・アイエロだろ

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つづく

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