マーティン・スコセッシ『グッドフェローズ』 [30年遅れの映画日誌1990]
1990年10月27日土曜
原作ニコラス・ピレッジ
レイ・リオッタはやはりマフィアか悪デコ役がはまる。
サイコ野郎は似合いすぎて…。
集大成が『ハンニバル』の脳みそ露出男か。
この映画での「もう一人」は、もちろんジョー・ペシ。
『八重桜物語』 [30年遅れの映画日誌1990]
1990年10月10日水曜 下北沢
朝鮮戦争の後、オーストラリアに渡った日本人「戦争花嫁」のその後を追ったドキュメンタリー。
オーストラリアは遠くて近い国だが、「連合軍」として各地に派兵している現実はあまり脚光を当てられない。
まったく初めて知るエピソードの数かずだった。
ジュゼッペ・トルナトーレ『ニュー・シネマ・パラダイス』 [30年遅れの映画日誌1990]
1990年9月
『ルイジアナの夜明け』
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アキ・カウリスマキ『真夜中の虹』 [30年遅れの映画日誌1990]
『五月 夢の国』 [30年遅れの映画日誌1990]
制作集団チャンサンコッメ 『五月 夢の国』
1990年9月11日火曜 試写
1980年韓国民主化闘争を題材にした自主制作作品。
試写会の閑散ぶりは驚くべきものであった。
一般上映には到らなかったようだ。
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つづけて観たVシネマ [30年遅れの映画日誌1990]
1990年8月
『マパンツラ』
キアヌ・リーヴス『リバース・エッジ』
『凶悪の紋章』
又野誠治は、松田優作を粗く削ったようなタイプだったが、残念ながら大成せずに終わった。
『獣のように』
『狙撃2』
『クライムハンター2 裏切りの銃弾』
『ネオチンピラ・鉄砲玉ぴゅー』
つづけて観たVシネマでは、これが一番。
『リオ・ブラボー』ビデオで観るのは初めて。
サミュエル・フラー『ストリート・オブ・ノー・リターン』 [30年遅れの映画日誌1990]
サミュエル・フラー『ストリート・オブ・ノー・リターン』
原作 デイヴィッド・グーディス
1990年8月31日金曜 渋谷
なにやら、この年はフラー映画が重なった。
いま(10年前のこと)手に入るDVDボックスに本作は収録されているものの、後の選定がどうもね。
『ショック集団』や『裸のキッス』は、レンタルでVHSが出回ったからだと思うが。
フラーらしさという点では、いささか淋しいものがある。
らしさといえば、次の年(1991年)には、フラー小説の翻訳まで出たのだった。
サミュエル・フラー『ホワイト・ドッグ』 [30年遅れの映画日誌1990]
サミュエル・フラー『ホワイト・ドッグ』
1990年8月27日月曜 試写
黒人ばかり襲うべく調教された白い猛犬の話。
確信犯的人種差別フィルムなのか。
それともだれもが避けて通る危険なテーマへの果敢な切りこみなのか。
まさに硝煙のフラー映画の真骨頂。
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イ・ドゥヨン『桑の葉』 [30年遅れの映画日誌1990]
1990年8月23日木曜 試写
これがヒット・シリーズの第一弾。
どうってこともないエロティック・コメディなんだが、だんだん良くなるナントカで。
隠し味であったはずの「反日」性が濃厚になっていくところが面白い。
黒木和雄『浪人街』 [30年遅れの映画日誌1990]
1990年8月20日月曜
原作 山上伊太郎
脚本 笠原和夫
総監修 マキノ雅広
往年の傾向時代映画のリメイクなんだが。
ここに名前のあがっていない「闇の仕掛け人」の思惑からは大いに外れた作品であることは間違いないようで。
この監督じゃあ、観る前からわかっていたこと。
サミュエル・フラー『最前線物語』など [30年遅れの映画日誌1990]
リュドミル・スタイコフ『略奪の大地』 [30年遅れの映画日誌1990]
リュドミル・スタイコフ『略奪の大地』
1990年7月10日火曜 試写
冷戦体制崩壊後に、ほんのいっとき訪れた「東欧の熱い風」時代の産物。
今ではスターリン時代よりもずっと昔に想えたりするから不思議だ。
三時間近い叙事詩ドラマだったが、オリジナルの五時間版を観てみたかった。
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『グランドゼロ』 [30年遅れの映画日誌1990]
ブルース・マイルズ&マイケル・パティンソン『グランドゼロ』
1990年7月9日月曜
原子力支配社会の喪われたフィルムをめぐる迷宮の物語。
オーストラリアでの、隠蔽された核実験を証拠立てる映画。
それを捜し求めた男最後にたどり着いたところは?
グランド・ゼロとは爆心地であるとともに、核の廃墟、フィルムが喪われる虚無の場所でもある。
グランド・ゼロは、10年後、「9.11」とともに記憶される言葉となるが……。
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チャン・イーモウ『菊豆』 [30年遅れの映画日誌1990]
中川梨絵が死んだ [日付のない映画日誌1970s]
中川梨絵が死んだ。
かつて、遠い昔。
『恍惚の朝』『エロスの誘惑』『OL日記 牝猫の情事』(1972)に魅了された。
神代辰巳『恋人たちは濡れた』(1973)は、う~~ん。
アートシアター系の『竜馬暗殺』、菅原文太・小林旭の半端な実録路線『実録飛車角 狼どもの仁義』 (ともに1974)の二本が、日活ロマンポルノ以外の、比較的メジャーな出演作だった。
こうしてみると、70年代前半のかぎられた3年間が華だった。
中川梨絵
それだけの短い交差でも、忘れられない女優だった。
ロバート・デ・ニーロ『ジャックナイフ』 [30年遅れの映画日誌1990]
デヴィッド・ジョーンズ『ジャックナイフ』
1990年4月7日土曜
ヴェトナム神経症シンドローム路線の一本。
ロバート・デ・ニーロ、エド・ハリスがあまりにも、はまり役すぎて……。
というか、同じ傾向の作品を観せられすぎて、「飽き」てきたのかも。
ジョン・ヒューストンの自伝『王になろうとした男』を読んで(これが無茶苦茶に面白い) いたら、彼が第二次大戦時の戦争神経症患者のドキュメンタリーを撮っていたことを知った。
この映画は35年間、一般公開されなかったという。
クリント・イーストウッドの『アメリカン・スナイパー』は、アメリカ帝国の侵略戦争・最新版を題材にして話題になった作品だが、戦争神経症というテーマの掘り下げの点では、ヴェトナムものを反復しているにすぎない。
そして、「神に見放された異教徒」を征伐する戦闘シーンは、あろうことか、1950年代の「インディアン標的」映画そのままの勇猛さだった。
シェ・フェイ『黒い雪の年』
1990年4月7日土曜 三百人劇場
ジッロ・ポンテコルヴォ『アルジェの戦い』 [30年遅れの映画日誌1990]
『JANIS』1974 [30年遅れの映画日誌1990]
オリバー・ストーン『7月4日に生まれて』
トム・クルーズ主演
1990年3月3日土曜
同じ反戦映画をつくっても、この人のはどうしてこんなにクサイんだろう。
独善的な政治臭ムンムン。
どこの国の左翼にも、この手の権力志向タイプが少なからず存在するのだ。
『JANIS』1974
1990年3月19日 月曜
ジャニス・ジョプリン ドキュメンタリー
右は、近日公開の新作『ジャニス:リトル・ガール・ブルー』
ジョン・カサヴェテス『オープニング・ナイト』 [30年遅れの映画日誌1990]
ルトガー・ハウアー『ブラインド・フューリー』 [30年遅れの映画日誌1990]
1990年2月19日月曜
まあ、要するに、西洋人の手になる『座頭市』リメイク。
アンドロイド役でハリウッド・デビューを果たし、以降も、『ヒッチャー』のエイリアンや『拳銃無宿』リメイクやヨーゼフ・ロートの酔っぱらい役など、怪演を重ねてきた怪優ルトガー・ハウアーをもってしても、ウーンと首をひねる出来映えだった。
だいいち仕込み杖の殺陣がねえ……。
ヴェルナー・ヘルツォーク『コブラ・ヴェルデ』 [30年遅れの映画日誌1990]
クラウス・キンスキー主演
1990年2月7日水曜 高田馬場
ヘルツォーク&キンスキーのクレージー・ヘルバウンド・コンビも四作目となった。
おっと、五作目だった。
『アギーレ』『ヴォイツェク』『ノスフェラトゥ』『フィツカラルド』
ようやるよ。
チョウ・ユンファ『風の輝く朝に』 [30年遅れの映画日誌1990]
チョウ・ユンファ周潤發 アレックス・マン萬梓良
1990年2月3日土曜 渋谷ユーロスペース
コメディでもドンパチでもカンフーでもない香港映画は、じつのところ初めてだったような。
日本軍占領下の時代を描いた作品も初めて観たことになる。
アントニオーニ『赤い砂漠』 [30年遅れの映画日誌1990]
エルマン・オルミ『聖なる酔っぱらいの伝説』 [30年遅れの映画日誌1990]
ドルフ・ラングレン『パニッシャー』
1990年1月28日日曜
『ロッキー4』の殺人サイボーグ・ボクサーでデビューして以来、すっかりB級アクションの主役路線に定着したラングレン。
これもまた、コミックの映画版。
エルマン・オルミ『聖なる酔っぱらいの伝説』
ヨーゼフ・ロート原作 ルトガー・ハウアー主演
1990年1月31日水曜 新宿
デニス・ホッパー『ラストムービー』 [30年遅れの映画日誌1990]
伝説のカルト映画をようやくVIDEOで観る。
1990年1月3日水曜
ヴィム・ヴェンダース『ことの次第』の先駆というのか。
「映画を撮ること」についてのかぎりない憧憬の「物語」。
哀切感は漂ってくるものの、基本的にはやりたい放題の自滅ネタ。
他山の石とするべし。
ただ、まあ、ラテンアメリカへの視線には驚かされた。