『リベンジ・マッチ』 [映画VIDEO日誌2013-14]
ピーター・ローレ『狂恋』 [映画VIDEO日誌2013-14]
Victer Serge のメキシコ時代を考察するために、是非とも再読しようと思っていたマルカム・ラウリー『火山の下』をぼちぼち読みはじめる。さいわい新訳が数年前に出ていた。
ジョン・ヒューストンによる映画化『火山のもとで』も観ているんだが、初読の印象はごくごくはかない。
メキシコを舞台にした、アル中の小説としか憶えておらんのだ。
再読。一章は、二人の酔いどれがもっと度外れた酔いどれ(これが主人公)のウワサ話をするシーン。
ベケットとの同時代性……。
てなことよりも、メキシコの場末の映画館で『オルラックの手』が上映されている。
この〈引喩〉の周到さに、ガツンとやられた。ピーター・ローレ主演の『狂恋』である。
そういうわけで、本はいったん閉じ、映画作品を捜すことにした。
『The Hand of Orlac』1924年版の表現主義映画(ロベルト・ヴィーネ監督、コンラート・ファイト主演)のフルムーヴィーは、ユーチューブで発見。
ローレ主演の1935年版も、某検索サイトからゲットした。
これらを鑑賞してから『火山の下』にもどろうか。
ジョン・ヒューストンによる映画化『火山のもとで』も観ているんだが、初読の印象はごくごくはかない。
メキシコを舞台にした、アル中の小説としか憶えておらんのだ。
再読。一章は、二人の酔いどれがもっと度外れた酔いどれ(これが主人公)のウワサ話をするシーン。
ベケットとの同時代性……。
てなことよりも、メキシコの場末の映画館で『オルラックの手』が上映されている。
この〈引喩〉の周到さに、ガツンとやられた。ピーター・ローレ主演の『狂恋』である。
そういうわけで、本はいったん閉じ、映画作品を捜すことにした。
『The Hand of Orlac』1924年版の表現主義映画(ロベルト・ヴィーネ監督、コンラート・ファイト主演)のフルムーヴィーは、ユーチューブで発見。
ローレ主演の1935年版も、某検索サイトからゲットした。
これらを鑑賞してから『火山の下』にもどろうか。
『火山の下』には、どうも感動できなかった。
メキシコという舞台いがいには――。火山小説としてなら迫真的だ。
小説中で『狂恋』は、さんざんに批難されているのだけれど、主人公の朦朧とした未練よりも、ピーター・ローレのストーカー愛の一途さのほうが結晶度が高いのではないか。
ラウリーの作品では、さまざまな脚注が、「中央アメリカに彷徨いこんだ西欧人の試練」という、たいして面白くもないパターンを少しも出ていないような気がする。
ラストもどこか借り物めいている。
コンラッド的テーマが見えかけてきたところ(西欧人はすべてスパイ!)で、カフカを剽窃したみたいな一行をもって閉じてしまう。
ラウリーの主人公「領事」は、酔っぱらいとしても不徹底なのだ。
どこまでも狂っているローレのゴーゴル博士におよばない。
メキシコという舞台いがいには――。火山小説としてなら迫真的だ。
小説中で『狂恋』は、さんざんに批難されているのだけれど、主人公の朦朧とした未練よりも、ピーター・ローレのストーカー愛の一途さのほうが結晶度が高いのではないか。
ラウリーの作品では、さまざまな脚注が、「中央アメリカに彷徨いこんだ西欧人の試練」という、たいして面白くもないパターンを少しも出ていないような気がする。
ラストもどこか借り物めいている。
コンラッド的テーマが見えかけてきたところ(西欧人はすべてスパイ!)で、カフカを剽窃したみたいな一行をもって閉じてしまう。
ラウリーの主人公「領事」は、酔っぱらいとしても不徹底なのだ。
どこまでも狂っているローレのゴーゴル博士におよばない。
トム・クルーズ『アウトロー』 [映画VIDEO日誌2013-14]
『8月の家族たち』 [映画VIDEO日誌2013-14]
『脱走戦線 ソビボーからの脱出』 [映画VIDEO日誌2013-14]
『ローン・レンジャー』『女ガンマン・皆殺しのメロディ』 [映画VIDEO日誌2013-14]
ワン・ビン『無言歌』 [映画VIDEO日誌2013-14]
このページを開設したのが、2014年の10月1日(何かの13年目の記念日)だから。
日録としては、回顧ではなく、ようやく現在時までたどり着いたわけだ。
ここからは、なんとなくリアルタイムにダラダラいける。
とはいえ、記録しておきたい作品の少ないこと。
日録としては、回顧ではなく、ようやく現在時までたどり着いたわけだ。
ここからは、なんとなくリアルタイムにダラダラいける。
とはいえ、記録しておきたい作品の少ないこと。
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』1946 [映画VIDEO日誌2013-14]
2014.09.14 テイ・ガーネット『郵便配達は二度ベルを鳴らす』1946
これは、1942年のヴィスコンティ版ではなく、ジョン・ガーフィールド&ラナ・ターナーによるハリウッド版。
35年後につくられたリメイクなどより、ずっといい。
DVDを買ったら、特典に、ガーフィールドの伝記ドキュメンタリーもついていた。
これは、1942年のヴィスコンティ版ではなく、ジョン・ガーフィールド&ラナ・ターナーによるハリウッド版。
35年後につくられたリメイクなどより、ずっといい。
DVDを買ったら、特典に、ガーフィールドの伝記ドキュメンタリーもついていた。
この有名なタイトルの真意については、いろいろの説がある。
わたしが納得したのは、ホルヘ・ルイス・ボルヘスの解釈。
「死神は二度やってくる」という意味だ。
ボルヘスは、その論拠として、エミリー・デッキンソンの詩をあげている。
「My life closed twice before its close_」
なるほど。
ボルヘスは鋭い。