ボギー&バコール『キー・ラーゴ』 [日付のある映画日誌1985]
30年遅れの映画日誌。映画を観るためには映画館に出かけるしかなかった時代の話。
1985年12月31日火曜 晴れ
ジョン・ヒューストン『キー・ラーゴ』
吉祥寺 バウスシアター
ハンフリー・ボガート ローレン・バコール エドワード・G・ロビンソン ライオネル・バリモア
これで1985年もおしまいだ。
大晦日でもあったし。
ボギーからだった。
彼は少し飲んでいて、どこか外から、わたしがどうしているかとちょっと電話をかけてきたのだった。
彼は私をスリムと呼び、わたしは彼をスティーヴと呼んだ――映画のなかの呼び名のままに。
わたしたちはお互いに冗談を言い合った。
それから、ついに彼が「おやすみ」を言い、またセットでと言って切った。
それだけだったが。
が、そのとき以来、わたしたちの関係は一変した。
ローレン・バコール『私一人』 1944年の章
ルイス・ブニュエル『哀しみのトリスターナ』 [日付のある映画日誌1985]
マイケル・チミノ『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』 [日付のある映画日誌1985]
30年遅れの映画日誌。映画を観るためには映画館に出かけるしかなかった時代の話。
1985年12月13日金曜 晴れ
マイケル・チミノ『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』
銀座 試写
マイケル・チミノの復活作は無難な(?)ギャング路線。
ミッキー・ロークもジョン・ローンもいけてるハズなんだが。
ミスキャストとは思いませんけど。
なんかモヤモヤと不完全燃焼感が残るのはナゼ。
監督の因業なカルマなんでしょうかね。
http://atb66.blog.so-net.ne.jp/2014-12-15
トリュフォー『突然炎のごとく』 [日付のある映画日誌1985]
ケベック・シネマウィーク [日付のある映画日誌1985]
ロジャー・スポティスウッド『アンダー・ファイア』 [日付のある映画日誌1985]
インド映画『エスタッパン』 [日付のある映画日誌1985]
グラウベル・ローシャ『アントニオ・ダス・モルテス』 [日付のある映画日誌1985]
ヴィム・ヴェンダース『ハメット』 [日付のある映画日誌1985]
30年遅れの映画日誌。映画を観るためには映画館に出かけるしかなかった時代の話。
1985年10月24日木曜 雨
ヴィム・ヴェンダース『ハメット』
銀座 試写
裏話のほうが本編よりもずっと面白いという因果なフィルムがあるとすれば、これなど代表格かな。
フランシス・コッポラ製作、
ヴィム・ヴェンダース監督、
ジョー・ゴアズ原作、
ロス・トーマス脚本最終稿。
主人公はダシール・ハメット。と名前を並べただけでも……。
『地獄の黙示録』と併行して、規模においてはともかく質においては、それと勝るとも劣らない愚行の数かず。
そのレポートは『ミステリマガジン』の1985年1月号に。
アメリカ映画ばかり観て育ったヨーロッパ人作家とアメリカン・ハードボイルドのミスマッチ、というのか。
いや、でもしかし。
どうしても嫌いにはなれない作品だった。
ローランド・ジョフィ『キリング・フィールド』 [日付のある映画日誌1985]
ジョン・ヒューストン『火山のもとで』 [日付のある映画日誌1985]
ガッサン・カナファーニ『太陽の男たち』 [日付のある映画日誌1985]
30年遅れの映画日誌。映画を観るためには映画館に出かけるしかなかった時代の話。
1985年9月14日土曜 曇り
タウフィーク・サーレフ監督・脚本『太陽の男たち』
原作ガッサン・カナファーニ
御茶ノ水 日仏会館ホール
トラックの給水タンクの中に潜んで密入国をくわだてる三人の男。
太陽に焼かれる地獄の釜。
これは一つのシンボリックな寓話だ。
地球の上をヴィザもなく彷徨う難民の運命の物語は、今日も変わることなく続いている。
1972年にテロによって殺されたパレスティナ人作家カナファーニの存在そのものが、二十世紀後半という時代を象徴していただろう。
当時、来日したパレスティナの詩人マフムード・ダルウィーシュが雄弁に語ったとおり――
『現代アラブ文学選』1974創樹社には、カナファーニの代表作「ハイファに戻って」、評論「占領下パレスティナにおける抵抗文学」、ダルウィーシュの詩「パレスティナの恋人」などが収録されている。
ボギー&バコール『三つ数えろ』 [日付のある映画日誌1985]
安聖基が現われた日 [日付のある映画日誌1985]
30年遅れの映画日誌。映画を観るためには映画館に出かけるしかなかった時代の話。
1985年8月25日日曜 晴れ
『深き青き夜』ディープ・ブルー・ナイト 裵昶浩ペ・チャンホ
『鯨捕り』 裵昶浩
『馬鹿宣言』 李長鎬イ・チャンホ
韓国若手監督特集
池袋 スタジオ200
発見の会の自主上映とほぼ同期に、西武デパート内のスタジオ200での上映が定期的にひらかれるようになった。
当初は、ポリシーがない、政府機関による作品選定は問題だ、などという批判があったが、そうした傾向はじょじょに是正されていったように思う。
李長鎬につづく第二の名前、裵昶浩とその作品を知った。
裵昶浩と安聖基アン・ソンギの挨拶があった。
この回の番組は他に――
『水の流れはかえられない』 林権澤イム・ゴンテク
トビー・フーパー『スペースバンパイア』 [日付のある映画日誌1985]
ジャッキー・チェン『大福星』 [日付のある映画日誌1985]
『絶唱母を呼ぶ歌 鳥よ翼をかして』 [日付のある映画日誌1985]
ジョージ・ミラー『マッド・マックス サンダードーム』 [日付のある映画日誌1985]
マルクス・ブラザース・フェスティヴァル [日付のある映画日誌1985]
第一回東京国際映画祭『アルシノとコンドル』『グレイ・フォックス』 [日付のある映画日誌1985]
第一回東京国際映画祭 NTTベスト30アラウンド・ザ・ワールド [日付のある映画日誌1985]
第一回東京国際映画祭『パリ、テキサス』 [日付のある映画日誌1985]
30年遅れの映画日誌。映画を観るためには映画館に出かけるしかなかった時代の話。
1985年6月6日木曜 晴れ
ヴィム・ヴェンダース『パリ、テキサス』
この作品を観るためにこの映画祭はあった。
第一回東京国際映画祭 渋谷 NHKホール
痛みにみちた映画青年、映画を観ることと映画を作ることが同義だったゴダール世代の申し子。
ヴェンダース最初のメジャー映画。
というわけで初めて「ミステリマガジン」に書かせてもらった原稿。
要するに『パリ、テキサス』のナスターシャ・キンスキーは『リオ・ブラボー』のアンジー・ディキンソンへのオマージュであった、といいたいだけなのだが、出来映えが悪くて我ながらガッカリしてしまう。
http://atb66.blog.so-net.ne.jp/2014-12-01
ホウ・シャオシエン『風櫃から来た人』 [日付のある映画日誌1985]
第一回東京国際映画祭『ソルジャー・ストーリー』 [日付のある映画日誌1985]
第一回東京国際映画祭 [日付のある映画日誌1985]
柳町光男『さらば愛しき大地』 [日付のある映画日誌1985]
脚本ホルヘ・ルイス・ボルヘス&アドルフォ・ビオイ・カサーレス『はみだした男』 [日付のある映画日誌1985]
ピンク ズームアップ映画祭 [日付のある映画日誌1985]
30年遅れの映画日誌。映画を観るためには映画館に出かけるしかなかった時代の話。
ピンク ズームアップ映画祭
1985年5月18日土曜 晴れ
滝田洋二郎監督・夢野史郎脚本『真昼の切り裂き魔』
新宿
ズームアップ映画祭の第六回作品賞
他に 滝田洋二郎『OL24時 媚娼女』
渡辺元嗣『女教師 淫らな放課後』
持っているピンク関連の資料が貧弱なので、偉そうなこともいえないけれど。
滝田ピンク時代の最盛期に立ち合っていたのだろう。
それと夢野脚本に魅かれていたのも、わたしの度しがたいマイナー好みか。
http://atb66.blog.so-net.ne.jp/2015-07-18